「ロコモティブシンドローム」「サルコペニア」といった言葉をご存知ですか?
人間の身体は、加齢に伴って少しずつ機能が衰えていきます。骨や筋肉、関節、靭帯などが衰えて運動機能が低下し、歩行等の日常生活に関わる動作が困難になってしまう場合も決して少なくありません。
そういった加齢に伴う機能低下について表した言葉が「ロコモ」や「サルコペニア」です。
今回は、「ロコモティブシンドローム」「サルコペニア」の基本的な知識や対策方法についてお話します。
ロコモティブシンドローム、略称ロコモは日本語で「運動器症候群」と言い、日本整形外科学会の中村先生によって生み出された言葉です。
運動器の機能の衰えによって歩行に支障をきたしている状態のことを指します。
「筋肉」「骨」「関節」をはじめとする運動器は、それぞれが関わり合うことで機能を果たします。
加齢によって脚の筋肉量が減少すれば、サポートの減少した関節に負担が掛かり、膝関節に負担が掛かれば転倒のリスクが増え......と、 どこかひとつの機能が低下することで連動して他の機能も低下していきどんどん悪循環に陥ってしまうのです。
サルコペニアは、「加齢による筋肉の減少」を指す言葉で、ギリシア語で筋肉をあらわす「サルコ」と減少をあらわす「ペニア」を合わせてつくられた造語です。
人によって多少の差はありますが、一般的には40歳前後から徐々に筋肉量が減少していきます。
減少は加齢に伴って加速していき、なんと1年で5%以上におよぶことも。
日ごろの運動量が少なければ、サルコペニアはどんどん進行していってしまいます。
サルコペニアが進行して筋肉が減ることで歩行機能全体に悪影響を及ぼすケースも多いため、ロコモに繋がる初期症状とも言えるでしょう。
「ロコモ」「サルコペニア」の予防で大切なのは、栄養を摂取することと、定期的に運動をすることです。
炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をバランスよく摂取するのはもちろん、骨や関節を形成する上で重要な役割を果たすコラーゲンペプチドなどを摂取するのも効果的です。
さらに、ロコモティブシンドロームの発端となりやすい筋肉の減少を防ぐため、定期的に運動する習慣をつけるよう心がけましょう。
自宅での筋トレやストレッチなど、できることから始めてみて下さい。
近年注目されているロコモティブシンドローム、サルコペニアについてお話しました。
年齢を重ねてからも健康な足腰で暮らせるよう、今のうちから生活習慣を見直して、「ロコモ」と「サルコペニア」の予防に努めましょう。