美肌だけじゃない? コラーゲンは関節痛に効果的?

美肌だけじゃない? コラーゲンは関節痛に効果的?

関節はスポーツや加齢によって痛みが生じますが、最近では関節痛改善のためにコラーゲンを含んでいる健康食品が多くありますね。
コラーゲンと言えば、肌の調子を整えてくれる成分でよく知られていますが、関節にはどのように働くのでしょうか?

ここでは、コラーゲンが関節にもたらす効果と理由についてご紹介します。



コラーゲンって一体なに?

コラーゲンとは、たんぱく質の一種で体内に多く存在しています。
コラーゲンは細胞同士を繋ぎあわせるという重要な役割を担っています。
このため、コラーゲンが減少すると、細胞の分裂や増殖の速度が遅くなってしまい、臓器などが弱ったりして老化の進行につながるのです。

現在では老化を遅らせるために、多くの化粧品がコラーゲンを使っており、細胞の増殖や分裂をサポートしています。



なぜコラーゲンが関節痛にも効く?

先にご紹介したように、コラーゲンには細胞をつなぎ合わせたり、細胞が分裂したり再生したりするのをサポートする働きがあります。
そして、軟骨の主成分はⅡ型コラーゲンです。
このことからコラーゲンには軟骨の再生を促す効果があると言えます。

人間の体は、加齢が進むとコラーゲンを生成する機能が衰えてきます。
衰えたコラーゲン生成機能をサポートするには食事やサプリなどでコラーゲンを補うことが大切です。



コラーゲンが関節痛にもたらす効果

順天堂大学で、膝関節痛を症状に持つ40~78歳までの男女29名を対象に、膝関節痛にコラーゲンが有効かどうかの検証実験が行われました。
実験の内容は「15人にはコラーゲンが含まれた食品、残り14人にはコラーゲンが含まれていない偽薬食品(プラセボ)を4カ月間摂取しその効果を比較する」というものです。

結果は次のように出ています。

・屈折角度(JOAスコア)
屈折角度は変形性膝関節症の評価方法です。
この検査でコラーゲンを摂取していた人の方が、偽薬を摂取していた人よりも倍以上良い結果がみられました。

・安静時数値(VAS法)
安静時数値は被験者自身が痛みの程度を報告する、主観的な数値です。
ここでもコラーゲンを摂取したグループのほうが、関節痛が大きく改善されたという報告がされています。

・炎症性サイトカインIL-17A数値
サイトカインとは炎症症状を引き起こす免疫成分のことです。
サイトカインが多く生成されているほど炎症症状が悪いと言えます。
コラーゲンを摂取したグループでは検査前と検査後でサイトカインの量が大幅に減少しました。
この検査でも、コラーゲンを摂取したグループのほうが関節痛に改善がみられたのです。

以上のことから、健康な肌を維持するのに効果的だと言われていたコラーゲンは、関節痛にも有効だということが言えます。



何を摂取すればよいか?

美肌だけじゃない? コラーゲンは関節痛に効果的?

コラーゲンは、牛スジや魚のあらなどに多く含まれています。
しかし、コラーゲンは脂肪と相性がよく、高カロリーな食品にコラーゲンが含まれています。

また、関節痛を改善するためにコラーゲンを食事で摂取するには、毎日手羽先を4本食べなければいけないという計算になります。
これは人によって難しいことですよね。
そこで、関節痛の症状緩和にコラーゲンを摂取する場合は、サプリメントで摂取することをおすすめします。

関節痛には、「グルコサミン」「コンドロイチン」「ヒアルロン酸」などが良いと言われています。
もちろんそれだけでも効果は期待できますが、同時にコラーゲンを含んでいるものを選ぶことがポイントです。