春から夏にかけて気温が上昇しはじめると、暑さによる体力の消耗や食欲不振が起こりやすくなります。
栄養が偏ってしまうと、健康にも美容にも良くありません。

そんな今の時期にオススメの食材が「ニンニク」。
古くから滋養強壮の薬として重宝されてきたニンニクには、体力回復に効果的な成分がたくさん含まれているのです。
今回は、ニンニクに含まれる成分とその効能についてお話します。

ニンニクに含まれる栄養素

ニンニクには、身体を作るために必要なタンパク質や脂質、食物繊維をはじめとする数十種類もの栄養素が含まれています。
主な栄養素は、むくみの解消や血圧低下に効果的な「カリウム」、老化の防止や滋養強壮に効果的な「アルギニン」、活性酸素に対抗する抗酸化作用を持つ「セレン」など。

そんな健康に効果的なにんにくの主成分のなかでも、特に体力回復に効果的だとされているのは、「アリイン」と呼ばれる成分です。

アリインの効果って？

体力の回復・増強には、エネルギーを発生させるための「ビタミンB1」が欠かせません。
しかしビタミンB1は水溶性のため非常に吸収率が悪く、一度にたくさんの量を摂取してもそのほとんどが吸収されることなく排泄されてしまいます。

ニンニクを調理する過程で、アリインは「アリシン」という成分に変化します。
このアリシンがビタミンB1と結びつくことで「アリチアミン」という脂溶性の成分に変化するのです。

アリチアミンに変化することでビタミンB1が腸内で吸収しやすくなり、血中に長時間留まることが可能になるため、持続的にビタミンB1の体力回復効果を得ることができるようになります。
また、アリチアミンには「ノルアドレナリン」というエネルギーの生産性を高めるホルモンの分泌を促進させる効果もあります。

ニンニクを食べることでビタミンB1が効率的に摂取できるだけではなく、アリチアミンによるさらなる体力回復効果を得ることができるのです。

ニンニクと一緒に食べたい食材

ニンニク自体にもビタミンB1は含まれていますが、やはりビタミンB1を豊富に含む食材と食べた方がその効果は確実です。
ビタミンB1を含む食品には、豚肉やレバー、玄米、大豆製品などが挙げられます。

これらの食品と一緒に食べることで、ニンニクの疲労回復効果を最大限に引き出すことができます。
また、ニンニクに含まれるアリインは、ニンニクを切ったりすりつぶしたりすることでアリシンに変化します。
アリシンの効果は時間の経過とともに少しずつ低下していくため、使う直前に切るのがオススメです。

いかがでしたか。
これからの季節にオススメの食材、「ニンニク」に含まれる栄養素とその効果をご紹介しました。
体力の消耗を防ぐため、ぜひともニンニクを摂取していきましょう。