ヒートショックプロテインというたんぱく質をご存知でしょうか?
50度のお湯で野菜を洗うと、少ししなびてしまった状態の野菜でも新鮮さがよみがえると一時期話題になりました。
実はこれがヒートショックプロテインの例の一つであり、優れた作用のひとつでもあります。
この修復作用は私たちの健康にも生かすことができるのです。
今回はその効果と、ヒートショックプロテインを体内に生み出すための生活習慣をご紹介します。
ヒートショックプロテイン(以下HSP)は体温が上がることによるストレスによって体の中で増えることが分かっています。
細胞は日々のストレスや時間の経過により傷ついてしまうことがありますが、HSPは傷ついてしまった細胞を修復する作用があるのです。
また、修復できないほどの細胞は完全に破壊し、新しい細胞が生まれるようにすると言われています。
こういった働きにより疲労物質を体の中から追い出したり、新陳代謝を大きく促すことができます。
HPSはもともと体の中にある細胞ですが、加齢によりだんだんと減ってきます。
ですから大人こそHPSを増やす生活習慣を取り入れると、細胞を増やすことで自然治癒力を高め、健康につなげることができると言えます。
HPSは体に若干のストレスを与えることでも増やすことができます。
しかし、なんといっても一番取り入れやすいのはズバリお風呂に入ることです。
入浴をすることで体温をあげると、そのショックでHPSを増やすことができます。
その際の体温は38度が理想ですが、普段平熱が低い人がいきなり38度まで体温を上げるのは体への負担が大きいためおすすめしません。
まずは普段の自分の平熱を把握し、1.5度くらい体温をあげることを目指しましょう。
浴室内で体温を測るためには、舌下で測れる体温計を準備することをおすすめします。
HPS細胞を増やすためには体温を上げることが必要です。汗をかくので入浴前には必ず水分を補給しましょう。
湯温は半身浴より熱めの40度~42度ほどに設定します。
湯船につかっていると(だいたい10分程度が目安)体温が自然に1度~1.5度ほど上がりますので、そのままもうしばらく浸かっていましょう。
入浴後はせっかく温まった体温を下げないよう、冷たい水を飲んだりしないようにしてください。
自然と汗が引くまで、できればバスローブなどで体を保温するとよいでしょう。
この入浴方法を週2回程度行うと効果的です。
HPSを増やす入浴方法を続けているとだんだんと体が軽くなってくることを実感できることでしょう。
ただし、HPSは体にストレスを与えた時に増える細胞のため、しばらく続けていると体が慣れてしまうことがあります。
その際にはおよそ2週間、間隔を空けてまた始めるとよいでしょう。