コラーゲンの働きを考える前に、まず「なぜ病気は治るのか」について考えてみましょう。例えば、風邪をひくと風邪薬を飲みますが、風邪薬は諸症状を抑えるだけで、風邪そのものが治るわけではありません。高血圧や糖尿病にしても、薬は症状を抑えるために使われて、治療は食餌療法で行います。
動物には自然治癒能力が備わっています。ホメオスタシスという身体の機能を正常に維持しようとする力で、マクロファージやリンパ球など、たくさんの細胞がそのために存在します。先天的要因を除くと、ほとんどの病気は、自分の身体が治すのです。
人間の身体は、約兆の細胞から成り立っています。髪の毛、爪、血管、内臓など、どこをとっても細胞がつながってできているのです。細胞と細胞の間には、必ずコラーゲンがあって、細胞同士をくっつけています。
小腸で吸収された栄養は、血管を通って各細胞に行き渡りますが、毛細血管の先端は各細胞と直接つながっているわけではありません。血管から染みだした栄養は、コラーゲンを通じて細胞に渡されます。細胞自身も生きているので、老廃物を出しますが、これもコラーゲンを通して血管に戻されます。つまり、コラーゲンは身体の中に「流れ」を作っているのです。
コラーゲンは身体の部位によってその役割が少しずつ違います。皮膚のコラーゲンは、お肌をみずみずしく保ち、いろいろなトラブルを起こしにくくします。軟骨のコラーゲンはクッションの役割をして、体重を支えるヒザや腰の負担を軽減します。また、血管のコラーゲンは血管をしなやかにして、臓器のコラーゲンは各臓器が円滑に働くようにします。
コラーゲンが老化すると、水分が少なくなり、固くなってしまいます。各部位のコラーゲンが固くなってしまうと、「流れ」が滞っていろいろな障害が出てくるのです。
コラーゲンは古くなっても、補給してあげれば新しいものと入れ替わります。ところが、日常の食生活においては、コラーゲンを多く含む動物の骨や皮は、食べずに捨てられているのが現状です。不足したコラーゲンを補助食品の形で補給すれば、滞った「流れ」も徐々に回復して、身体が正常な働きを取り戻すのです。
なぜコラーゲンが「何にでも効く」といわれるのか、イメージだけでもおわかりいただけたでしょうか。