以前の記事では何回かに渡って「白砂糖が人間の体に害を及ぼす」
ということをご説明させて頂きましたが、実は白砂糖以外にも人間に有害であるといわれている意外な食材が存在しています。
それは私たちが日常的に口にし、学校の給食では毎日飲んでいたあの「牛乳]です。
今回はこの数年の間で浮上している「牛乳有害説」について解説させて頂きたいと思います。
「牛乳が有害だなんて信じられない」と思われている方も多いかと思いますが、2014年にスウェーデンの研究チームが実施した牛乳と健康についての調査の結果が、英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」で発表されています。
調査は39~74歳の女性61000人を対象にした約20年にわたる観察記録と、45~79歳の男性45000人以上を対象にした11年間の観察記録に基づいたもので、参加者の「食事」「ライフスタイル」「体重」「喫煙習慣」「運動頻度」「教育水準」さらには「結婚歴」のデータまで参考にしているとのことです。
気になる調査結果についてですが「牛乳摂取量の多い人は少ない人に比べて寿命が短く、調査期間中に対象者の内の約25500人が(寿命なども含めて)死亡、22000人が骨折を経験したということが判明したそうです。
研究チームの論文には「牛乳の摂取量が増加すると骨折の危険性はあまり低下しないが、死亡率の増加と関連する可能性がある」と書かれているのですが、まだ研究段階であるため「牛乳の推奨摂取量の見直しをするにはまだ早いとも考えているようです。
「牛乳といえばカルシウム」と考えている方は多いかと思いますが、本当に牛乳を飲むことでたくさんのカルシウムを摂取できるのでしょうか?
確かに搾りたての牛乳には100g中に100~110mgくらいのカルシウムが含まれている」のですが、ひじきや小松菜、煮干しなどの他の食材に比べると、この数字はそれほど多いものではありません。
さらに事実として知っておいて頂きたいのが「牛乳のカルシウムは熱を受けると消化されにくくなるということです。
牛乳に含まれているカルシウムは他の食材のものに比べて吸収されやすいといわれているのですが、加熱をすることによって消化されにくい難溶性の無機カルシウムに変化をしてしまいます。
そして一般に市販されている大手メーカーの牛乳のほとんどは、120℃~150℃という超高温での殺菌処理をしているため、普通の牛乳からはカルシウムをあまり吸収できないということになってしまうのです。
そのためもし市販の牛乳を飲みたいのであれば、60℃台で殺菌した「低温殺菌牛乳」を選ぶようにすると良いでしょう。
「牛乳有害説」を唱えている人達の主張の中には、牛乳が骨以外の部分にもさまざまな悪影響を与えているという意見があります。
例えば牛乳にはベーコン5枚分の脂肪が含まれているのですが、そのほとんどはコレステロールを増やす飽和脂肪酸であるため、飲むことによって動脈硬化や心臓病、脳卒中などの原因になるといわれています。
さらに「牛乳がガンの原因になる」という意見も出ていて、日本の国立がん研究センターが43000人を対象に追跡した大規模調査では、牛乳の摂取が前立腺がんのリスクを上げることが確認されたといいます。
もしこういった「牛乳有害説」が全て事実だとすれば「なぜ給食には牛乳が出ていたのか?」「牛乳を使った乳製品も体に悪いのか?」といった気になることがたくさん出てきますよね?
次回は乳製品全般に焦点を当てて「牛乳有害説」についてさらに掘り下げていきたいと思います。