たばこは中毒性が高く、禁煙しようと思ってもなかなか難しいという方も多いようです。
中には「禁煙する理由がない」と考えている方もいるかもしれませんね。
喫煙には「百害あって一利なし」とよく言われます。でも具体的にどのような害があるのかを正確に把握できているという方は少ないのではないでしょうか。
ここでは、喫煙によるさまざまなデメリットの中から、代表的なものを5つご紹介します。
国立がん研究センターの発表によれば、日本人の喫煙者の肺がんリスクは、非喫煙者に比べて男性で4.4倍、女性で2.8倍になることがわかっています。
たばこの煙には数多くの発がん物質が含まれ、肺がん以外にも口腔がんや咽頭がん、食道がん、胃がんなどさまざまながんと喫煙の因果関係が指摘されています。
ほかにも動脈硬化やそれによる心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など多くの病気を引き起こすリスクを高めることがわかっています。
喫煙の習慣のある人は、たばこを吸わない人と比べて老化が現れやすくなります。
喫煙者の顔には、深いシワや肌のくすみ、白髪、歯や歯ぐきの変色などといった特徴が現れやすく、こうした特徴を「スモーカーズフェイス」と呼びます。
これは、喫煙による血行不良やビタミンC不足、活性酸素の大量発生などが影響するのが原因であると考えられています。
たばこに含まれるタール(ヤニ)は、歯の表面にこびりついて黄ばみの原因になります。
また、喫煙により唾液の量が減ることで、口内の自浄作用や歯の再石灰化作用が低下します。
ヤニはベタベタとしているため、ヤニの付いた歯には歯垢が付着しやすく、むし歯や歯周病を引き起こす原因にもなります。
たばこの害は、喫煙者本人だけでなく周囲にいる人たちにも及びます。
たばこのフィルターを通して吸い込む主流煙よりも、周りにいる人が吸い込む副流煙のほうが有害物質を多く含んでいるのです。
国立がんセンターは、受動喫煙のある人はない人に比べて肺がんのリスクが約1.3倍になると発表しています。
がん以外にも、アトピー性皮膚炎や気管支炎、小児喘息などのリスクが受動喫煙により高まるとされています。
たばこの価格には、国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税の4種類もの税金が含まれており、税負担率は6割を超えています。
たばこは担税物品の中でも最も税負担が大きい商品なのです。
国や地方の財政に貢献していると言うこともできますが、たばこを多く吸う人ほどたくさん税金を支払わなければならないことになり、家計への負担が大きくなっていると言えるでしょう。
以上、喫煙によってもたらされる主なデメリットを5つご紹介しました。
健康面はもちろん、美容や経済などさまざまな面でデメリットが生じることがわかります。
なかなか禁煙できないという方は、これらのデメリットについて改めて考えてみてはいかがでしょうか。