日本人に最も多い花粉症とされる「スギ花粉症」。例年、花粉が飛び始める2月頃からつらい症状が出るという方は多いでしょう。
スギ以外にも、春先はヒノキやハンノキなどの花粉も飛散し、一年でも最も花粉症に悩まされる人が多いシーズンとなっています。
花粉症に悩む方の中には、内服薬やレーザーによる治療など病院での治療だけでなく、「少しでも症状を和らげられるなら何でも試してみたい」という方も多いのではないでしょうか?
甜茶(てんちゃ)や漢方、ツボなど花粉症に効果があるとされる民間療法にもさまざまなものがあります。
その中でも日常的に取り入れやすく、実際に効果があったという声を聞くことも多いのが「ヨーグルト(乳酸菌)」です。
ヨーグルトは花粉症の改善に役立つのでしょうか? その効果や働きについて見ていきましょう。
花粉症の症状緩和にヨーグルトが一定の効果を示すという研究結果は、ヨーグルトを取り扱う大手食品メーカーなどによる研究報告がいくつも存在しています。
厚生労働省の研究班が2006年に行った調査でも、ヨーグルトには一定の症状緩和効果があることが発表されています。
これは、花粉症を含むアレルギー性鼻炎患者を2つのグループに分け、一方には乳酸菌粉末が含まれる食品を、もう一方には含まれない食品を半年間にわたって毎日摂取させた結果、 乳酸菌を摂取したグループでは、もう一方のグループと比べくしゃみや鼻づまりなどの症状の悪化がほとんど見られなかったというものです。
根本的に症状が治まるとまでは言えないようですが、少しでも症状を抑えられるのなら試してみる価値はありそうですね。
乳酸菌と言えば、腸内環境を整える善玉菌として知られています。
なぜ乳酸菌の摂取が花粉症の症状緩和につながるのでしょうか? その理由については、まだはっきりと解明されていないのが現状です。
大きな理由の一つとして考えられるのが、乳酸菌に、花粉症の原因となる「IgE抗体」の体内での生成を抑制する働きがあるということです。
体内の免疫機能のバランスが崩れると、IgE抗体が過剰に生成され、花粉症などのアレルギー症状が起こりやすくなることがわかっています。
乳酸菌やビフィズス菌を摂取することで腸内のバランスが整うとIgE抗体の過剰な生成が抑えられ、結果、アレルギー症状が起こりにくくなると考えられています。
花粉症にお悩みの方は、ヨーグルトや乳酸菌サプリメントなどの摂取を習慣にしてみることで、症状緩和に役立つかもしれません。
特に、便秘がちな方や食生活の乱れなどで腸内環境に自信がないという方には効果的かもしれませんね。
手軽にできる方法なので、試してみてはいかがでしょうか。