何かと疲れが溜まりやすい現代社会。
日々疲れを溜めている、疲れがなかなか抜けないという方も多いのではないでしょうか。
では、この「疲労」は一体何が原因なのでしょうか。
今回は、疲労のメカニズム及びその対策方法についてご紹介していきます。
まず疲労とは「筋肉疲労」と「慢性疲労」の2タイプがあります。
過度な運動や仕事、睡眠不足など、肉体を酷使することで発生する物理的な疲労です。
慢性疲労とは、肉体を酷使していなくとも継続して発生する慢性的な疲労です。
別名精神疲労とも呼ばれ、ストレスなど精神的な負担を伴うことで発生します。
このどちらかの疲労を溜めていると、身体は自分の身体を守るために「疲れ」のシグナルを出し、肉体や精神を休ませようとします。
筋肉疲労の原因について、一昔前は筋肉を酷使することで発生する「乳酸」が原因とされていました。
しかし現在は「トリプトファン」が原因物質として有力視されています。
トリプトファンとは、筋肉を酷使すると血中に発生する物質です。
このトリプトファンが発生するとキノリン酸など神経毒性を持つ物質を誘発します。
それらの神経毒性を持つ物質が神経を麻痺させ、結果的に疲れを発生させると言われています。
肉体疲労の対策は、ズバリ身体を休めることです。
肉体疲労の根本的な原因は筋肉を酷使していることなので、睡眠を十分にとって身体全体の筋肉を休めることで解消できます。
慢性疲労の原因となっているのは、精神的負荷つまりストレスです。
ストレスを受けていると人間の身体は、筋肉を緊張させたり血流が多くなったり、脳を覚醒状態にしたりといった一種の防衛状態に入ります。
この状態になると、内側から身体に負荷をかけている形になっているので、それが負担となり疲れとして現れるのです。
このため常にストレスを溜めている方は、たとえ身体に物理的な負担をかけていなくても慢性的な疲労を伴います。
慢性疲労の対策は、気分転換をしたり体を休めたりして精神をリフレッシュさせることです。
また、あまりに強いストレスの原因がある場合や、うつ病などに発展している場合は、医師やカウンセラーの指導の下、適切な対処法を取る必要があります。
食事には古くより疲労回復効果があると言われており、食事を利用して肉体疲労と慢性疲労を和らげることが可能です。
疲労に効果的な栄養素は「ビタミンB」「カリウム」「クエン酸」と言われています。
ビタミンBは豚肉やうなぎ、大豆などに多く含まれ、カリウムは野菜類に、クエン酸はレモンやミカン、グレープフルーツなどのかんきつ類に多く含まれます。
また、これらの栄養素がバランス良く含まれているのが、牡蠣や生姜、梅干やゴマなどです。
これらの食材を鍋料理などにして一緒に食べることができれば、効率よく栄養を摂ることができるでしょう。
このように、身体の細かなメカニズムによって「疲労」は発生します。
疲労を感じるというのは身体からの警告サインとも言えるので、疲労を感じる前に食事や睡眠を意識しておくと良いかもしれません。