甘酒というと昔ながらのなつかしい飲み物という印象がありますが、近年その効能に注目する人が増え、ちょっとした甘酒ブームとなっています。
スーパーなどでもさまざまなメーカーの甘酒を見かける機会が増えました。
しかし、なんとなく健康や美容に良いという印象はあっても、甘酒を飲むことで具体的にどんな効能が期待できるのかはよく知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで甘酒の効能を2回に渡ってご紹介します。前編の今回は、健康面での効能を主に取り上げていきます。
甘酒にはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸といったビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンB群は、食事からとった炭水化物、タンパク質、脂質などの代謝を促し、エネルギーに換える働きを持つビタミン。
つまり、ビタミンB群が不足すると食べたものからうまくエネルギーが生み出されず、疲れやすくなってしまうというわけです。ビタミンB群たっぷりの甘酒を飲めば、疲労回復や夏バテ対策に役立ちます。
甘酒にはビタミンB群以外にも、システインやアルギニン、グルタミンなどのアミノ酸や、食物繊維、ブドウ糖などさまざまな栄養素が含まれていることから「飲む点滴」とも呼ばれています。
甘酒はお米を麹菌で発酵させて作る発酵食品です。発酵食品には、腸内を弱酸性にして善玉菌の働きを助ける作用があります。
また、甘酒には腸内の善玉菌のエサになるブドウ糖や食物繊維が含まれています。このため、甘酒を飲むことで腸内環境の改善が期待できるのです。
私たちの免疫細胞のおよそ6~7割は腸内に集中していると言われています。
腸内免疫と腸内細菌の関係は密接であることがわかっており、腸内環境の改善は免疫力の向上にもつながると言えます。
血液中に含まれるアンジオテンシンⅠというホルモンは、ストレスや食生活などの影響でアンジオテンシンⅡに変化します。
アンジオテンシンⅡは、血管を収縮させ、塩分の排出を遅らせる働きがあるため血圧を上昇させる原因となるホルモンです。
甘酒には、アンジオテンシンⅠをアンジオテンシンⅡに変化させる酵素の働きを抑える作用があるペプチドが含まれていることがわかっています。
甘酒を飲むことは、高血圧の予防にも役立つのです。
甘酒の効能について、主に健康面に関するものをいくつかピックアップしてご紹介しました。
栄養価が高いこともあり、毎日一杯の甘酒を飲めば健康維持に役立ってくれそうです。
さっそく習慣にしてみてはいかがでしょうか。